【開業前に読んでほしい】天は自ら助くる者を助く

弊社では飲食店の販売促進のお手伝いをするために一般社団法人フードアカウンティング協会という団体と提携してサポートをお願いしています。

飲食店のオーナーさんは、お料理のプロであっても必ずしも販促のプロではありません。ご自身が感じられている以上に店前が殺風景で初めての方が入りづらかったり、遠目からの視認性が悪かったり、どんなものが食べられるお店か外からでは想像できなかったりと、お店の外回りに課題があるばあいや、メニュー表がアラカルト中心で構成されているためにオーダーが分散してオペレーションが追いつかなかったり、積極的に出したいコース料理が他のメニューに埋もれていたり、ランチ客にディナータイムへの遡求ができていなかったりと店内に課題があるばあいなど第三者のアドバイスが有効なケースが数多くあります。

この団体の相談員はもともと飲食店向けの大手コンサルティング会社のトップコンサルタントだった方ですが、オーナーさんへの負担を限りなく少なくして最大限の販促効果を得てもらうために私たち会計事務所の顧問先のオーナーさんには相談から提案、販促物のデザインまですべて無償でおこなう仕組みを作られました。

前置きが長くなりましたが、そういうわけで弊社の顧問先のオーナーさんには無償でこの販促サポートサービスを受けていただいています。

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開業当初から集客に苦戦していたあるオーナーさんもこのサービスをご利用になりました。

お店に窓がないこのお店にはまず、店内の様子やどんなものがいくらくらいで食べられるかがわかるパネルを店外の壁に設置しました。その後徐々に増えてきたランチ客にディナーメニューを知らせるリーフレットを作成。さらに忘年会にむけて開発したコース料理のポスター、最近はインスタ映えをねらった変わり種ランチの大型ののぼりが功を奏して新規客が多く訪れるいい流れになっています。

さて最近ある他業種のお客さまの接待のためにこちらのお店を使わせていただきました。私たちは、個人的な利用ももちろん接待などでも顧問先のお店を積極的に使わせていただくようにしています。

せっかくお金を使うなら…という気持ちに加えてお連れしたお客さまもそのお店のファンになってくださったらという気持ちもあるからです。

3名の予約で訪れたその日、たのんだコースは3時間の時間制でした。3時間が経つころ店内にはわれわれ3人だけ。それぞれのグラスには最後に注文したドリンクがまだ残っていました。

    すみません、そろそろお時間なんで、、、

席を立ち、帰る間際にお連れした方をご紹介

     私

     こちらの方は会社がお近くですなにかのときに利用してもらえるといいですね

     オーナー

     ……はあ………

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私は天は自ら助くる者を助くという言葉が好きで座右の銘にしています。

ラテン語由来の古いことわざで、他人に頼らず自ら努力する人は天の助けがあっていずれ幸福になるといったような意味があるようですが(※諸説あります)、自分でできるかぎりの努力をしてもがいてもがいて伸ばした手はかならずだれかが引っ張ってくれる逆にだれかが必死でもがいて伸ばした手にはなんとかして手を差し伸べようというような意味に勝手に解釈していますあせる

うまくいっているオーナーさんは、この部分は自力では無理だから助けてと手を伸ばすのがとても上手。ご自身でできるかぎりのことをやっているからここから先は他人の力を借りても大丈夫というラインがわかっているのでしょう。

そして助けてもらったぶん感謝の心も忘れない。

お店を使わせてもらったときは私たちだけでなくお連れした方への心づかいにも決して手を抜きません。

ちゃんと準備をして必死に努力されてもはじめからうまくいく商売は多くありません。でも助けを求めて腕を伸ばせばだれかが引っ張ってくれるかもしれません。

黙ってうなだれたり助けようとする手を振り払ったりしてせっかくのチャンスを潰さないでほしい。切実な願いです。心を込めて作ったお料理でひとりでも多くの人を幸せにしてほしいのです。

この記事を書いた人

小松雅子