自分のお店のこと、どれくらい知ってますか

先週立て続けに飲食店のオーナーさんから、いまの店の業態を変えたい、違う業態で2店舗めを出したいといったご相談がありました。

コロナ禍で、今のままのやり方では商売が成り立たないなら生き残りをかけてあらゆる可能性を模索するのは経営者として当然です。お店も会社も新しい生活様式に対応しなければならない、変わらなければなりません。

ただし新しいことを始めるときに、もう一度お伝えしたいのがすべては、自分を知るところからということ

たとえばこんな質問

客単価がどれくらいのメニューを作れますか?

その客単価は客層にマッチしていますか?

お客様が満足してお店に利益の残る原価率はどれくらいですか?

料理の提供にかかる時間はどれくらいですか?

いまの提供時間でお客様はストレスを感じていませんか?

ストレスを感じない提供時間を実現するのに必要なバイトの人数はどれくらいですか?

客単価について質問すると、多くのオーナーさんが「3千円から4千円くらい」というような考え方をされています。

でも、たとえば月に200万円売りたいとして、200万円÷営業日数26日≒77000円
客単価3千円なら77000円÷3千円=25.6人
1日平均25人以上
客単価4千円なら77000円÷4千円=19.2人
1日平均19人以上集客が必要
1日平均で6人、目標集客数が変わります。

仮に客席数が20席だとすると、稼働率の差は3割

この数人の集客がいかに大変か痛感している人も多いと思います。

だからといって安易に客単価を上げようとするのは危険注意ひとり3千円以内で飲めるからお店に来てくれているのかもしれません生ビール

もっと危険なのが安易に原価を落とそうとすることにんじん満足度が下がったと感じたらお客様は二度とお店に来てくれません。大事なことは、上の質問に答えられるのはオーナーただ一人ということ上差し自分の身体の状態、自分の身体能力については自分にしかわからないのと同じです。

自分で自分に向き合うしかない。徹底的に向き合うしかない。プロ野球の故野村監督いわく

勝ちに不思議の勝ちあり
負けに不思議の負けなし

こうすればかならず成功するという黄金則はありません。

逆に自分を知らないまま始めれば失敗するケースがほとんどです。

できることは、まず自分を知ること。

あらためて、あなたは自分のお店のこと、どれくらい知ってますか?

この記事を書いた人

小松雅子