独立開業で失敗しないために絶対知っておきたい10のこと
ラストの今回は、あらためて飲食店経営ならではのリスクについてです
これから飲食店を開業しようとしているあなたはどんなリスクを想定していますか
すぐに十分な売上があがらない、お客さんがついてくれるまでに時間がかかる、食中毒で営業停止になったらどうしよう
またどの業種でもいえることですが、営業時間が深夜におよぶことも多い飲食業ではスタッフの労務管理にも気をつけないと未払い残業代などで訴えられる危険性もあります
これらのことには、事前に保険に加入するなど対策を打っておく必要があります。
でも私が一番つよく実感しているのは、何度もお伝えしてきましたがお店が閉まっていても家賃はかかるという厳然とした事実です。
あたりまえのようでいてつい忘れてしまいがちです。というのも、事業計画を立てるとき月単位の収支予想をたてるのですが、その際に28日、30日、31日という月による日数のズレまで計算にいれる人はほとんどいません。
たしかに厳密に考えすぎてしまうと計画を立てるハードルが上がってしまいオススメできません。
でも1~3日間の売上があるのとないのとでは月の収支は大きく変わってきます。
このシリーズで登場しているモデルケースの店舗では、
1日に必要な売上は67,307円でした。
この金額は月の営業日数を26日と仮定してのものです。
仮に営業日が少なければその分月の売上金額は変わります。
でも家賃はひと月が28日だろうと31日だろうと1円も変わることはありません。
地震、台風、大雪といった災害ゴールデンウィーク、お盆、正月…いろいろな理由で売上は大きく左右されます。
こうした影響を一番受けやすいのが飲食店なんです。変わらないのは家賃だけです。
だからこそ大事なこと
①できるだけ1日単位での収支目標をたてる
やりかたは意外とかんたん。月単位の目標を立てたら家賃、人件費、光熱費、広告宣伝費、消耗品費、リース代その他費用をすべて日割りするだけ
こうすることで日々の営業のなかでも売上がたちにくい月曜日から水曜日までの分を週末など集客が見込める曜日でどの程度挽回しなければならないかの目安ができます。
②なるべく家賃を遊ばせない事業内容にする
安易に営業時間をディナータイムだけにするといった計画を立てるのは危険です
しつこいようですが、お店が開いている時間にしか家賃が売上に貢献することはありません。
もちろん業種業態によって夕方から夜にかけての集客しか見込めないばあいもあります。また無理に営業時間をのばして労務管理にひずみが出るのは本末転倒です。
ただなるべく家賃という費用を売上に貢献させるためにできることはないか探してみてください。
たとえばランチタイムも営業できないか検討してみる、または宅配サービスなどの利用で店内利用だけでないお客さんを取り込めないか考える、さらには閉めている時間帯をほかのお店に貸して利用料をもらうなどなどアイディアはいろいろあります
上記のことをなるべく余分な人件費などをかけずに実現できればその分お店の収益は上がります
かんたんではありません。でも毎月支払う家賃を最大限に売上に活かすという発想は忘れないでください。そしてなによりまずその家賃のその物件が自分の事業計画に合っているかどうかよく検討してくださいね
このシリーズでは事業計画の立て方から人手不足対策など開業前に準備しておいてほしい最低限のことをテーマにしてきました。
わからない、難しい、ひとりで計画を作る時間がないというばあいはぜひご相談ください。
そしてひとりでも多くのお客さんをあなたのお料理で幸せにしてあげてください。