飲食店開業までの流れを完全ガイド|資金調達・物件契約・保健所手続きの順番

飲食店開業の流れを、事業計画、資金調達、物件探し・契約、内装工事、保健所の営業許可、消防手続き、採用、税務まで順番に解説します。「融資と物件契約はどちらが先?」「保健所にはいつ相談する?」と迷っている方へ、500件以上の飲食店支援経験をもとに、開業後の資金繰りまで見据えた失敗しにくい進め方を紹介します。

「飲食店を開業したいけれど、何から始めればいいのか分からない」

「物件を探すのが先なのか、融資を申し込むのが先なのか」

「保健所や消防署には、いつ相談すればいいのか」

飲食店開業に向けて動き出すと、このような疑問が一気に出てきます。

実際の支援現場でも多いのが、やるべきことは何となく分かっていても、進める順番が分からないという相談です。

飲食店開業では、物件、融資、内装工事、保健所、消防、採用、仕入れ、税務と、多くの準備を同時に進めなければなりません。しかも、それぞれが独立しているわけではありません。

たとえば、気に入った物件を先に契約したものの、融資が希望額まで出なければ資金計画が崩れます。内装工事を終えてから保健所に相談し、施設基準を満たしていないことが分かれば追加工事です。開業日は延び、その間も家賃は発生します。

だからこそ、飲食店開業では「何をするか」と同じくらい「どの順番でするか」が重要です。

この記事では、飲食店開業の流れを、事業計画から資金調達、物件契約、保健所・消防手続き、開業後の税務まで順番に解説します。

当事務所では、これまで500件以上の飲食店支援を行ってきました。創業融資支援では、融資審査通過率100%、満額融資率98%の実績があります。

単に開業することではなく、開業後も返済しながら店を続けられることを前提に、創業融資、事業計画書作成、資金調達、税務顧問、経営改善まで一貫して支援しています。

飲食店開業の流れは「物件探し」から始めない

結論から言うと、飲食店開業で最初にやるべきことは、物件探しではありません。

最初に作るべきなのは、店のコンセプトと数字をセットにした事業計画です。

開業準備を始めると、まず物件サイトを見たくなります。

しかし、家賃をいくらまで払えるのか、初期投資はいくらまでかけられるのか、何席必要なのかが決まっていなければ、良い物件かどうかを判断できません。

基本的な流れは、次のように考えます。

  1. 店のコンセプトを固める
  2. 売上・原価・人件費・家賃などの事業計画を作る
  3. 自己資金と必要資金を確認する
  4. 資金調達の方針を決める
  5. 条件に合う物件を探す
  6. 契約前に保健所・消防・設備面を確認する
  7. 創業融資を具体的に進める
  8. 条件を確認したうえで物件契約を進める
  9. 内装設計・工事と許認可手続きを進める
  10. 採用・仕入れ・販促・会計体制を整える
  11. 保健所等の検査を終えて開業する
  12. 税務・労務など必要な届出を行う

実際には、一つが終わってから次へ進むのではなく、複数の作業を並行します。

大事なのは、後戻りしたときに大きなお金がかかる判断ほど、先に確認を入れることです。

ステップ1|「どんな店をやりたいか」を数字に落とし込む

最初に決めるのは店のコンセプトです。

ただし、「イタリアンをやりたい」「居酒屋を出したい」だけでは事業計画にはなりません。

最低でも次の条件まで具体化します。

  • 誰をターゲットにするのか
  • 何を主力商品にするのか
  • 客単価はいくらか
  • 席数はいくつ必要か
  • ランチとディナーの両方を営業するのか
  • 1日何人の来店を見込むのか
  • 月何日営業するのか
  • テイクアウトやデリバリーを行うのか
  • どのエリアで営業するのか

ここまで考えると、必要な店舗面積や家賃の上限が見えてきます。

逆に、数字がない状態で物件を選ぶと、

「家賃は高いけれど立地がいいから何とかなる」

「少し予算オーバーだけれど内装を頑張れば売れる」

という判断になりやすくなります。

飲食店経営で「何とかなる」は計画ではありません。

当事務所では、事業計画を作成する際、初期投資、家賃、客単価、客数、席数、回転率、原価率、人件費などを何度も行き来しながら、開業後にお金が残る現実的なラインを探します。

売上計画は客単価・客数・営業日数まで分解する

売上計画は、

客単価 × 客数 × 営業日数

を基本に考えます。

さらに飲食店では、ランチとディナー、平日と週末、席数と回転率まで分解したほうが現実的です。

たとえば30席の店で、毎日ほぼ満席、1日3回転する前提にすれば、高い売上はいくらでも作れます。

しかし、その客数は本当に来るのでしょうか。

立地、店前通行量、周辺人口、競合店、周辺の価格帯などを見ずに作った数字では説得力がありません。

実際の支援でも、「同じ業態の知人がうまくいっているから、自分も何とかなると思う」というケースがあります。

しかし、家賃も、自己資金も、立地も、客単価も違います。

他店が成功していることは、自店が成功する根拠にはなりません。

ステップ2|開業資金は「店を作るお金」だけで考えない

次に、必要な開業資金を洗い出します。

飲食店では主に次の費用が発生します。

  • 物件取得費
  • 保証金・敷金・礼金
  • 仲介手数料
  • 内装工事費
  • 厨房機器
  • 空調・排気設備
  • 看板
  • POSレジ
  • テーブル・椅子
  • 食器・調理器具
  • 求人費
  • 開業前人件費
  • 広告宣伝費
  • 初回仕入れ
  • 営業許可などの手数料
  • 開業後の運転資金

ここで特に注意してほしいのが、店舗を完成させるまでの金額だけを「開業資金」と考えないことです。

開業した翌日から計画どおり売れる保証はありません。

開業直後には、

  • 想定より客数が少ない
  • オペレーションが安定せず人件費が増える
  • 食材の仕入れ量を読み違えて廃棄が増える
  • 広告費を追加する
  • 備品を買い足す

といったことが普通に起こります。

だから、工事費を払い終わった時点で通帳残高がほとんど残らない計画では危険です。

実際の支援現場では、最低でも3カ月、できれば半年程度、売上が想定を下回っても耐えられる資金設計を確認します。

利益より「返済後にいくら残るか」を見る

飲食店の事業計画では、損益計算だけでは足りません。

売上から食材費、人件費、家賃、水道光熱費などを引いて利益が出ていても、そこから借入金の元金返済や税金、個人事業主なら生活費が出ていきます。

利益が出ることと、お金が残ることは別です。

当事務所では、目標売上を考える際、まず「最終的に手元へいくら残す必要があるか」から逆算します。

たとえば毎月の売上が300万円でも、家賃、人件費、仕入れ、借入返済などで290万円出ていけば、残るのは10万円です。

厨房機器が故障して50万円必要になれば、一気に資金繰りが苦しくなります。

飲食店では、売上の夢ではなく資金繰りの現実を見る必要があります。

ステップ3|創業融資は物件探しと並行して準備する

自己資金だけで開業資金をすべて賄える方は多くありません。

そこで検討するのが創業融資です。

代表的な選択肢の一つが、日本政策金融公庫です。

日本政策金融公庫の「新規開業・スタートアップ支援資金」は、新たに事業を始める方や、事業開始後おおむね7年以内の方を対象としており、設備資金・運転資金に利用できます。現在公表されている融資限度額は7,200万円です。

参考:新規開業・スタートアップ支援資金|日本政策金融公庫

ただし、大事なのは「7,200万円まで借りられる」ということではありません。

自分の店にいくら必要で、その金額を返済しながら経営できるかです。

創業融資で必要なのは「返せる根拠」

融資申請では、次のような内容を整理します。

  • 自己資金をどのように準備したか
  • 飲食業でどんな経験をしてきたか
  • なぜこの業態なのか
  • なぜこの立地なのか
  • 客単価や客数の根拠は何か
  • 原価率・人件費率は現実的か
  • 必要資金の見積もりは妥当か
  • 借入返済後にも資金が残るか

事業計画書は、夢を書く書類ではありません。

金融機関に「この計画なら返済しながら営業を続けられる」と説明する資料です。

自己資金についても、通帳に残高があるだけでは足りません。

申込直前に突然まとまったお金が入っている場合、その資金がどこから来たのか説明を求められます。

見せ金では通用しません。

当事務所では創業融資支援において、事業計画書の作成だけではなく、資金計画や面談対策まで一体で支援しています。

これまで500件以上の飲食店支援を行い、創業融資支援では融資審査通過率100%、満額融資率98%の実績があります。

ただし、融資を受けることがゴールではありません。

借りたお金は、開業後には返済になります。

当事務所では、借入金を酸素ボンベのようなものとして考えています。

開業直後には経営を支えてくれますが、資金には限りがあります。その資金がある間に店を軌道へ乗せなければ、やがて返済負担だけが残ります。

ステップ4|事業計画と予算に合う物件を探す

事業計画と資金計画が見えてきたら、本格的に物件を探します。

物件選びでは、

  • 商圏
  • ターゲット客層
  • 店前通行量
  • 家賃
  • 坪数
  • 視認性

だけを見るのでは不十分です。

候補物件が見つかったら、契約前に少なくとも次の点を確認します。

  • 飲食店営業が認められているか
  • 希望する業態が可能か
  • ガス容量は足りるか
  • 電気容量は足りるか
  • 給排水設備に問題がないか
  • ダクト・排気設備を設置できるか
  • グリストラップを設置できるか
  • 看板に制限がないか
  • 営業時間の制約がないか
  • ビル管理規約に問題がないか
  • 保健所の施設基準に対応できるか
  • 必要な消防設備を設置できるか

居抜き物件だから安全とも限りません。

前の店が飲食店だったとしても、新しい店の厨房レイアウトや設備、提供する商品が変われば条件も変わります。

「以前も飲食店だったから大丈夫」で契約を決めるのは危険です。

ステップ5|物件契約・工事の前に保健所へ相談する

飲食店開業の手続きで特に重要なのが、保健所への確認です。

飲食店営業には、食品衛生法に基づく営業許可が必要です。

東京都の案内でも、食品に関する営業を始める場合には保健所での手続きが必要とされており、営業許可申請はオンラインで行うこともできます。食品営業を行う場合には食品衛生責任者を定める必要があります。

参考:食品関係営業許可申請に関するワンストップリンク集|東京都多摩府中保健所

ここで大事なのは、工事が全部終わってから初めて保健所へ相談しないことです。

施設基準を満たしていなければ、完成後に手直しが必要になります。

たとえば、

  • 手洗い設備
  • シンク
  • 給湯設備
  • 冷蔵・冷凍設備
  • 食品や器具の保管設備
  • 床・壁・天井
  • 防虫・防鼠設備

など、営業内容に応じて確認が必要です。

東京都では営業施設について共通基準と業種別の特定基準が設けられています。

参考:食品営業許可 審査基準|東京都保健医療局

図面がある程度固まった時点で管轄保健所へ確認し、必要な設備を設計へ反映するほうが安全です。

完成してから直すのではなく、図面の段階で問題を潰します。

なお、営業許可の具体的な手数料、必要書類、施設基準、申請方法は自治体や営業内容によって異なります。実際に出店する店舗を管轄する保健所へ確認してください。

食品衛生責任者も開業直前まで放置しない

食品営業を行う場合には、食品衛生責任者を定める必要があります。

資格要件を満たしていない場合には、食品衛生責任者養成講習会の受講などが必要になるため、早めに準備します。

また、現在はHACCPに沿った衛生管理への対応も必要です。

厚生労働省では、小規模な一般飲食店向けの「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理のための手引書」を公開しています。飲食店向け手引書は2024年1月15日に改訂されています。

参考:HACCPの考え方を取り入れた衛生管理のための手引書|厚生労働省

テイクアウト、菓子製造、食肉の取扱いなど、営業内容によって必要な許可が変わることもあります。

「飲食店営業許可を取れば何を販売してもいい」と考えず、予定している事業内容を最初から保健所へ伝えてください。

ステップ6|消防署への確認も内装工事前に行う

保健所と同時に忘れやすいのが消防署への手続きです。

店舗を開業する際には、物件や工事内容によって消防関係の届出が必要です。

東京消防庁では、建物や建物の一部を工事する場合に必要となる「防火対象物工事等計画届出書」について、工事を始める7日前までに管轄消防署へ届け出る必要があると案内しています。

参考:防火対象物工事等計画届出書|東京消防庁

また、店舗など建物の一部を使用し始める場合には「防火対象物使用開始届出書」があり、東京消防庁では使用開始の7日前までの届出を求めています。

参考:防火対象物使用開始届出書|東京消防庁

さらに東京消防庁の2026年4月更新の案内では、飲食店で厨房設備等の入力合計が120kW以上となる場合には、「火を使用する設備等設置届出書」が必要になることも示されています。

このため、

物件契約 → 内装工事 → 消防署に確認

という順番では遅いことがあります。

可能であれば、

候補物件を確認 → 消防署へ相談 → 必要設備を確認 → 設計・工事

という流れで進めます。

消防設備の追加工事は、まとまった金額になることがあります。

後から自動火災報知設備や誘導灯などの追加対応が必要になれば、工事費だけでなく開業スケジュールまで変わります。

なお、ここで紹介した提出期限は東京消防庁の制度です。出店地域によって条例や届出先が異なるため、店舗所在地を管轄する消防署へ必ず確認してください。

ステップ7|条件を確認してから物件契約・内装工事を進める

資金調達の見通し、保健所、消防、設備条件を確認したうえで、物件契約と工事を進めます。

ここで注意したいのが、内装工事にお金をかけすぎることです。

自分の店を持つ以上、内装にこだわりたいのは当然です。

しかし、おしゃれな店を作ることと、儲かる店を作ることは別です。

仮に開業資金1,500万円のうち1,300万円を物件取得と内装工事に使えば、残りは200万円です。

そこから、

  • 家賃
  • 人件費
  • 仕入れ
  • 広告費
  • 水道光熱費
  • 借入返済
  • 生活費

を払っていかなければなりません。

開業直後に売上が想定を下回れば、すぐに資金が苦しくなります。

だから工事会社へ依頼するときは、まず使える工事予算の上限を決めます。

そのうえで複数の見積もりを比較し、

  • どこまでが見積もりに含まれているか
  • 厨房設備は別途なのか
  • 電気・ガス工事は含むのか
  • ダクト工事は含むのか
  • 追加工事が発生する条件は何か

まで確認してください。

ステップ8|開業前から採用・仕入れ・販促を進める

内装工事が始まったら、採用や仕入れ、販促も並行して動かします。

採用を開業直前まで待つと、必要人数が揃わないことがあります。

事業計画で、

「時給1,200円でアルバイト5人」

と書いていても、その条件で応募が来なければ計画は成立しません。

求人媒体費、研修期間中の人件費、オープニングスタッフの教育時間まで考えておきます。

同時に、

  • 食材・酒類の仕入れ先
  • POSレジ
  • キャッシュレス決済
  • 予約システム
  • ゴミ処理業者
  • インターネット
  • 電話
  • 店舗保険

なども決めます。

販促についても、開業日に初めて集客を始めるのでは遅いです。

Googleビジネスプロフィール、SNS、予約サイト、店頭告知など、業態に合う方法を開業前から準備します。

ステップ9|保健所の検査と必要な許可を終えて開業する

施設が完成したら、営業許可に必要な確認・検査を受けます。

食品営業では、営業開始前に必要な許可を取得し、施設基準を満たしていることを確認してもらう必要があります。東京都の案内でも、食品営業を始める際は保健所での手続きが必要とされています。

だから開業日を決めるときは、

工事完了予定日=開業可能日

とは考えないでください。

工事完了から、

  • 保健所の施設確認
  • 必要な修正
  • 営業許可
  • 消防関係の確認
  • スタッフ研修
  • プレオープン

まで含めて余裕を持って組みます。

開業日を先に大々的に告知してから許可や検査が間に合わないと、日程変更による損失が大きくなります。

ステップ10|開業前に会計・経理の仕組みを作る

飲食店は、開業した日から毎日大量のお金が動きます。

  • 現金売上
  • クレジットカード
  • QR決済
  • 仕入れ
  • 人件費
  • 家賃
  • 水道光熱費
  • 広告費

これを後から整理しようとすると、ほぼ確実に大変になります。

開業前に、

  • 事業用銀行口座
  • 事業用クレジットカード
  • POSレジ
  • 会計ソフト
  • レシート・請求書の保存方法
  • 現金管理のルール

を決めておきます。

特に個人事業主の場合、生活費と店舗のお金を同じ口座・カードで管理すると、あとから経営数字を把握しにくくなります。

飲食店は現金取引も多く、管理が甘いと、

「売上はあるのに、なぜかお金が残っていない」

という状態になりやすい業種です。

さらに、仕入れ金額だけを見ても本当の原価率は分かりません。

在庫、廃棄ロス、まかない、仕入れ過多まで確認して初めて、実態に近い原価率が見えてきます。

開業後の利益改善をするためにも、最初から数字を取れる仕組みを作っておくべきです。

ステップ11|税務署などへの開業手続きを確認する

開業にあたっては、税務関係の手続きも確認します。

ここは2026年に変更があったため、古い記事をそのまま参考にしないよう注意してください。

個人事業の開業届は2026年から提出期限が変更

個人事業主として飲食店を開業する場合には、「個人事業の開業・廃業等届出書」があります。

2026年1月1日以後に開業した場合、国税庁は、開業届の提出期限をその事実が生じた年分の確定申告書の提出期限までと案内しています。

参考:オンライン手続の利用率向上に向けた国税庁の取組について|e-Tax

開業届の様式はこちらです。

参考:個人事業の開業・廃業等届出書|国税庁

以前は「開業から1カ月以内」という情報が広く出回っていましたが、2026年1月1日以後の開業では取扱いが変わっています。

青色申告を使うなら別の期限に注意する

開業届の期限が延びたからといって、すべての税務手続きを後回しにしていいわけではありません。

青色申告を利用したい個人事業主は、「所得税の青色申告承認申請書」の期限に注意が必要です。

その年の1月16日以後に新規開業した場合、国税庁は業務を開始した日から2カ月以内の提出を案内しています。

参考:青色申告制度|国税庁 確定申告書等作成コーナー

スタッフへ給与を支払う場合には、源泉所得税など別の届出も確認する必要があります。

また、インボイス制度への登録が必要かどうか、消費税の課税事業者を選択すべきかどうかも、取引先や売上見込みによって判断が変わります。

開業届だけ出して税務手続きが終わったと思わないことが大切です。

法人で開業する場合は、法人設立後の税務手続きに加え、社会保険や給与関係の手続きも発生します。

開業形態が個人か法人かによって必要な手続きが異なるため、開業前に整理しておきましょう。

飲食店開業で多い失敗は「順番を間違えること」

飲食店開業では、知らないこと以上に、順番を間違えたことが大きな損失につながります。

失敗1|気に入った物件をすぐ契約する

良い物件が出ると、「他の人に取られる前に」と焦ります。

しかし、月30万円の家賃なら、営業できなくても毎月30万円出ていきます。

融資、工事、許認可が予定より2カ月遅れれば、それだけでも60万円です。

さらに管理費や人件費が発生すれば、負担は増えます。

スピードは必要です。

しかし、契約した後に何が起こるかを確認せず急ぐのは違います。

失敗2|内装にお金をかけすぎる

飲食店開業では、工事が始まると追加したいものが次々に出てきます。

「せっかくなら照明も良くしたい」

「カウンターももう少し高級感を出したい」

その積み重ねで100万円、200万円と予算が膨らむことがあります。

しかし、開業後の売上は内装費に比例しません。

運転資金を削って内装へ回すと、オープン後の集客不振に耐えられなくなります。

失敗3|保健所・消防への相談が遅い

工事終了後に初めて確認し、設備を変更することになれば二度手間です。

追加工事だけでなく、開業延期にもつながります。

許認可は工事後の手続きではなく、設計段階から始まっている。

この認識を持ってください。

失敗4|借りられるだけ借りればいいと考える

融資額が大きければ安心とは限りません。

借りたお金は返済しなければなりません。

逆に借入額を抑えすぎて、開業後の運転資金が不足するのも危険です。

大事なのは、

「いくら借りられるか」ではなく「いくら必要で、いくらなら返せるか」

です。

飲食店開業は「開店すること」より「続けること」が難しい

飲食店開業を目指していると、オープン日がゴールのように感じます。

しかし、経営はそこから始まります。

開業後には、

  • 原価率が計画どおりか
  • 人件費率が高すぎないか
  • 家賃負担は適正か
  • 借入返済後に資金が残っているか
  • 税金の支払いに備えられているか
  • 在庫や廃棄が増えていないか
  • 設備修繕のための資金があるか

を確認し続けなければなりません。

当事務所では、創業融資や開業支援だけでなく、開業後の税務顧問、資金繰り、原価・人件費の分析、経営改善まで一貫して支援しています。

飲食店に特化しているため、会計処理をするだけではありません。

「この家賃なら売上はいくら必要か」

「この原価率では利益が残るのか」

「借入返済と税金を払った後、いくら残るのか」

というところまで数字で確認します。

まとめ|飲食店開業の相談は物件契約前から始める

飲食店開業の流れを整理すると、基本は次の順番です。

事業計画
→ 資金計画
→ 創業融資の準備
→ 物件探し
→ 保健所・消防・設備確認
→ 融資・物件契約
→ 内装工事
→ 採用・仕入れ・販促
→ 営業許可等の手続き
→ 開業
→ 税務・数字管理

実際には並行して進めますが、一つだけ覚えておいてほしいことがあります。

大きなお金を使う前に、後から変更できない条件を確認することです。

「良い物件だから先に契約しよう」

「融資は後から考えよう」

「保健所は工事が終わってからでいい」

この順番では、開業前から資金を失いやすくなります。

飲食店経営では、料理や接客と同じくらい、税務、会計、資金繰り、原価、人件費の管理が重要です。

当事務所では、これまで500件以上の飲食店支援を行い、創業融資支援では融資審査通過率100%、満額融資率98%の実績があります。

創業融資、事業計画書作成、資金調達、税務顧問、会計・経理、開業後の経営改善まで、飲食店に特化してワンストップで対応しています。

「この物件を契約して大丈夫か」

「自己資金と融資額で足りるのか」

「保健所や消防署へいつ相談すればいいのか」

「この売上計画で返済後にお金が残るのか」

このような段階での飲食店開業相談でも問題ありません。

むしろ、物件契約や工事発注をした後では、修正できる範囲が狭くなります。

初回相談のみでも問題ありません。無理な営業は行いません。

開業前の段階から、資金・物件・手続き・税務を一つのスケジュールに整理し、開業後に資金繰りで苦しまない店を作っていきましょう。

この記事を書いた人

プロアクション会計事務所

プロアクション会計事務所

のべ500店以上の飲食店を支援してきた、飲食店専門の会計事務所です。
融資支援では審査通過率100%・満額融資率98%という実績を誇り、単なる資金調達にとどまらず、立地分析、販促支援、税務シミュレーション、経営計画の策定までを一気通貫でご支援。
開業というスタートラインから、軌道に乗るまで、さらには2店舗目・3店舗目の展開までを見据えた「実行力のあるサポート」をお届けしています。