【開業前に読んでほしい】リスクはお店の中にもある

スタッフがお店のお金を横領した
ある日突然お店に出勤しなくなった
在庫を不正に持ち出していた

残念ながら珍しい話ではありません。

先日も、開業したばかりの飲食店にシェフとして入社した社員が、お店の鍵を持ったまま突然退職を申し出てきました。

シェフは彼ひとり。予約はすでにいっぱい。臨時でアルバイトを雇い急場をしのいだものの、これからの営業を考えると心もとない状況がしばらく続いてしまいそうです。

ほかにもアルバイト社員がレジを不正操作して数十万円を超える横領におよんでいた、レジ金を持ち逃げされた…決して他人事ではありません。

こうした事態が起こるまえに決まって聞く言葉が、ウチのスタッフにかぎって不正をはたらくことはありません。私はスタッフを信用しているんです。信頼関係があるから大丈夫です。

もちろんスタッフと十分にコミュニケーションをとること、人間同士の関係性を築くことが大事なことは言うまでもありません。でも大事なのは過信してはいけないということ。そして可能なかぎり不正を起こせない環境をつくることです。

安全のためにも必要な場所にはカメラを設置する、不正がおこなえないPOSレジを導入する、雇用契約書を結び内容も労使双方で確認する。どれも万能ではないかもしれません。また人を疑うようなことはしたくないと思うかもしれません。でも経営者としてリスクに備える義務があります。

なぜならお店や会社だけでなくそこで働くほかの従業員を守ることができるのは経営者だけだからです。

リスクはお店の中にもあることを忘れないでほしいのです。

この記事を書いた人

小松雅子

小松雅子

飲食店に特化した税務・経営支援を行う税理士として、これまで数多くの飲食店の開業支援および経営サポートに従事。創業融資の実行支援から、開業後の資金繰り・利益改善まで一貫したサポートを強みとしている。
飲食業界特有の原価率や人件費構造、資金繰りの課題を踏まえた実践的なアドバイスに定評があり、「数字が苦手な経営者でも理解できる説明」を心がけている。
これまでに飲食店の開業支援・顧問業務を多数担当し、現場に即した視点から、経営の安定化と利益改善を支援。単なる税務処理にとどまらず、経営パートナーとして伴走するスタイルを大切にしている。