お店のお金を横領した
ある日突然お店に出勤しなくなった
在庫を不正に持ち出していた
残念ながら珍しい話ではありません。
先日も、開業したばかりの飲食店にシェフとして入社した社員が、お店の鍵を持ったまま突然退職を申し出てきました。
シェフは彼ひとり。予約はすでにいっぱい。臨時でアルバイトを雇い急場をしのいだものの、これからの営業を考えると心もとない状況がしばらく続いてしまいそうです。
ほかにもアルバイト社員がレジを不正操作して数十万円を超える横領におよんでいた、レジ金を持ち逃げされた…決して他人事ではありません。
こうした事態が起こるまえに決まって聞く言葉が、ウチのスタッフにかぎって不正をはたらくことはありません。私はスタッフを信用しているんです。信頼関係があるから大丈夫です。
もちろんスタッフと十分にコミュニケーションをとること、人間同士の関係性を築くことが大事なことは言うまでもありません。でも大事なのは過信してはいけないということ。そして可能なかぎり不正を起こせない環境をつくることです。
安全のためにも必要な場所にはカメラを設置する、不正がおこなえないPOSレジを導入する、雇用契約書を結び内容も労使双方で確認する。どれも万能ではないかもしれません。また人を疑うようなことはしたくないと思うかもしれません。でも経営者としてリスクに備える義務があります。
なぜならお店や会社だけでなくそこで働くほかの従業員を守ることができるのは経営者だけだからです。
リスクはお店の中にもあることを忘れないでほしいのです。